2021年7月に、EU域内で規定されている「CEマーク」に関する変更がありました。
ヨーロッパに輸出している方ならすでにご存知かもしれませんが、CEマークは携帯電話の充電器やゲーム機、自転車用ヘルメット、サングラス、子供用のおもちゃなど、あらゆる製品に適用されています。
- そもそもCEマークとは
- 7月に変更された点
- CEマークが必要な国
- CEマーク対象商品
今回は以上を解説していきます。
EU輸出をしているセラーや、これから販売予定の方は基礎知識としておさえておきましょう!
目次
CEマークとは?
CEマークとは、1993年にスタートした制度で、EUの法律で定められた安全性能基準を満たした製品に表示される安全マークのことです。
欧州経済地域(EEA)に加盟している32ヵ国に対して、対象商品にCEマーク付加することにより、自由流通ができるようになります。
家の中にあるものだけでも、充電器や電動歯ブラシ、歯磨き粉、電球などさまざまな製品にこのマークがあります。
- 欧州経済地域に加盟している国において、製品を自由に流通・販売できる
- 同じルールを課すことで、公平な市場競争を促す
- 各国の安全基準の統一と製品の安全水準の確保
CEマークの変更点とは?ebay日本セラーポータルのガイダンス
CEマーク自体は昔からありますが、今回なにがどのように変わったのか日本セラーポータルで発表されたガイダンスを見てみましょう。
2021年7月16日より、EUのバイヤーへの販売を行なう米国のセラーは、欧州連合(EU)が進めている製品コンプライアンス施行強化の影響を受けます。
EUが市場監視規則とその実施要領に基づいて定めた新しい法制度では、EUの製品コンプライアンス要件が、税関または当局によって検証および強制されます。
EUの法的基準および安全基準を満たす製品であることを製造者が証明するCEマークもその対象となります。
これに伴い、EUで販売されるCEマーク商品には、EUで設立された経済事業者の情報を製品またはパッケージに記載することが義務付けられます。
CEマーク商品を販売する大手ブランドでは、ほとんどの場合、EUで設立された既存の経済事業者を記載します。 経済事業者には、EUに拠点を置く製造業者(manufacture)、輸入業者(importer)、認定代理人(Authorized Representative)またはフルフィルメントサービスプロバイダーを指定できます。
EUに出荷する商品にこの情報が記載されていない場合、その商品は税関で止められることや、バイヤーに配送できないことがあります。”
出典:ebay CEマーク付き商品のEUへの販売
EUに輸出される製品の法令順守と市場監視ために発足された新しい規制によって、税関検査が強化されます。
指定製品にCEマークがついていることはもちろんのこと、7月以降はパッケージに「経済事業者」の記載表示が規制に加わり、この情報が記載されていないと税関で止められる可能性があるということでした。
僕も過去にゲーム機と家電で2回税関に止められてしまいました。
税関で止まると追加書類を請求されて、提出できないと商品が戻ってきてしまいます。
CEマークが必要な国
CEマークが適用される欧州経済地域(EEA)とは、EU+EFTA+トルコの合わせて32ヵ国(2021年9月現在)
EU加盟国(27ヵ国) | オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス共和国、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン |
EFTA加盟国(4ヵ国) | アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス |
加盟国候補 | トルコ |
※イギリスはEU離脱に伴い、CEマークから「UKCAマーク」へ移行します。
CEマークが義務付けられている商品
CEマーク対象商品 |
|
玩具
子供が使用することを目的とした玩具製品は「玩具安全指令」の対象となっています。
- 14歳未満を対象にした商品
- 自転車のサドルの高さが435mm以下
例)木製玩具、電子玩具、プラスチック製玩具、知育玩具、おもちゃの自転車など
電子機器
すべての電子機器はCEマークの対象となっています。
例)Bluetoothスピーカー、USBフラッシュドライブ、ノートパソコン、電気かみそり、デジタルカメラ、ゲーム機、プリンター、電子腕時計(自動巻きおよび機械式時計は除く)、スマートウォッチなど
身体保護具(PPE)
PPEは、落下物や衝突などの危険からユーザーを保護することを目的としたすべての機器を指します。
例)安全ヘルメット、安全手袋、アイプロテクター、安全靴など
他にも、LED電球、医療用マスク、体温計、サングラス、ノートパソコン用ACアダプターなどが対象となっています。
CEマークは、メーカーや製造者自らが欧州指令に適合していることを確認し、宣言書にサインすることで取得できるものです。EUの規制に準拠しているか不明な場合は、製造業者に問い合わせをします。
EU輸出、どう対処する?
取り扱う製品がCEマークの対象だった場合、
まず、経済事業者(EUの製造業者または輸入業者等)がパッケージに記載されているか確認します。
記載がなかったら製造業者にEUの認定代理人の有無を問い合わせます。
- 認定代理人が存在する場合・・・その名前と連絡先情報(住所を含む)が商品またはパッケージに表示されていることを確認します。
- 認定代理人がいない場合・・・製造業者にEUの認定代理人指名するよう要請します。(認定代理人は、製造業者によって署名された指名書、および製造業者による適合/性能証明書などの技術文書が必要。)
経済事業者である「EUの認定代理人」については、ebayがEU公認の第三者企業リストを紹介しています。
- Authorised Representative Service – ar.eBay@doceupoint.com
- Certification Company – ebay-AR@certification-company.com
- Eucerep – ebay_support@eucerep.com
- Obelis Group – sales@obelis.net
- Product Approvals – ebs@complyexpress.com
- Terrain Q – service@market-access.online
出典:ebay
【ebay輸出】CEマークとは?まとめ
EU輸出はVATルールの変更などや、イギリスのEU離脱、そしてCEマークなど色々複雑になってきました・・・
その一方、今回のCEマークに関しては「個人使用での規制はそこまで厳しくないので心配する必要なし」という意見もあります。
事実、今回は規制が強化されるということでebayでもアナウンスされましたが、CEマーク自体は昔からあるものです。毎日何十万のコンテナの中にある製品をすべてチェックすることは不可能ですし、関税に止まるかは「運」もあります。
僕は今まで通り出品を続けながら、しばらく様子をみていこうと思います。
不安な人は、ヨーロッパ在住のバイヤーからの購入を防ぐ方法もあります。
この記事の6項目「 ebay輸出の発送除外国を設定する方法」にてヨーロッパを発送除外国にできます。
7月に変更されたVATの新ルール「IOSS番号」についてはこちらで解説しています!
合わせてご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!